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持続可能な地域交通を考える会 2011年4月(2011年度 第1回)定例会資料

2011年04月14日(木) @高津区役所4階「市民活動支援ルーム」

議題

  1. 震災後1ヶ月を振り返って
  2. 今年度事業
  3. 昨年度事業総括・総会準備
  4. イベント出展準備
    ◆5/15「公害・環境、健康、まちづくりフェスタ」 ◆6/26「高津区市民活動見本市」
  5. パブリックコメント対応
    〜4/23 バリアフリー推進構想について(平間・向河原・武蔵小杉新駅、生田・読売ランド前・百合ヶ丘駅、梶ヶ谷・宮崎台駅)

▲東急某駅の切符売場。券売機は半数が止められ、照明も大幅に落とされている。鉄道各社も「計画停電」の対象となった。14日は大混乱、国交省が仲介に入り電気の安定供給が実現したが、替わりに2〜3割の電力使用量削減を求められた。一方で東京都23区の大半など「計画停電」対象外になった地域も広範囲に及ぶ。優先順位付けのお粗末さが実感された。

▲地下鉄某駅ホーム。会社により対応は分かれるが、エスカレータは長い所や混雑時間などを除き原則停止。最近はエレベータ設置駅が多く、バリアフリー経路は概ね確保されている模様。

▲地下鉄の電車内。車内灯を半分に減らして節電対応。南武線など地上を走る電車は日中全消灯し、駅構造やトンネルなど暗い所に入る時だけ点灯していた。各社各様で工夫されている。

▲西武多摩湖線の国分寺駅。通常でも平日日中毎時4本の運行だが、停電対策で当初は全線運休、その後毎時2-3本に減便運行されている。

▲一方でマイカー規制や自粛呼びかけは行われず、本来優先されるべき緊急車両や物資輸送、路線バスなどが一般車に巻き込まれた。交通無策ぶりを物語る。

震災後1ヶ月を振り返って

【意見交換】〜交通・環境・エネルギー関連を中心に

●震災直後に困ったこと、気になったことは? ●「計画停電」で困ったことは? ●「計画停電」で意外と困らなかったことは? ●今後進むべき方向は?

…をはじめ、任意に意見交換




【報告】震災直後の情報提供(緊急対応)

…当会が今後何をすべきかは、今日この後で検討したい。

無計画な「計画停電」による交通の大混乱

3月12日に実施の発表がされ実施要領は13日の深夜に発表され、直後の14日朝より「計画停電」が実施された。対象地域が限られた(東京都23区のほとんどが対象外になった)一方で、鉄道が対象とされたことから、旅客、貨物鉄道はもとより他の交通にも甚大な影響を及ぼし、最優先されるべき被災地救援などにも影を落とした。

旅客鉄道については、13日深夜の詳細発表を受けて鉄道各社は徹夜で対策に追われた上、大幅な運休を余儀なくされた。川崎市内ではJR東が全線運休、東急東横線は停電時間中は渋谷〜武蔵小杉間のみ運行、田園都市線は同半蔵門線〜あざみ野間のみ運行、小田急は終日運休、京王は停電時間運休を決めた。京急は泉岳寺〜金沢八景間と大師線が運行したが、東海道線などが運休したため乗客が殺到し、運休を余儀なくされた。交通は単体ではなくネットワークとして機能しないと麻痺することを見せつけた格好だ。

この結果、東京23区には終日給電されたが、肝心な働く人が出勤できず、電気はあれど人がいない状態で、都市のあらゆる機能を空転させる事態に至った。

貨物鉄道については、11日の震災被害で、常磐線、東北本線および日本海縦貫線(羽越・奥羽本線)と津軽海峡線が不通になっていたが、このうち羽越・奥羽・海峡線(新潟〜青森〜函館貨物間)が16日に全線復旧し、貨物鉄道のバックアップ輸送が可能になった。ところが、14日から「計画停電」により関東地方の貨物輸送が止まり、既に復旧していた東京〜愛知〜大阪間も止まってしまった。東京〜大阪間で列車が担える輸送まで止められたことから、被災地へ向かわせるべきトラック需要まで逼迫させたことになる。

東京電力が一方的に優先順位を決めた「計画停電」は交通を混乱に陥れ、被災地救援に必要な交通も含め広範囲に麻痺させるに至ったが、14日に国交省が仲裁に動き、16日からは鉄道各社が自主的に電力使用量を2〜3割削減することを条件に安定供給が再開され、鉄道各社は「節電ダイヤ」を組むなどの対応は求められたものの、運行は概ね安定した。

道路では、非常時にもかかわらず被災地を除き一般車両の通行が規制されなかったため、マイカー利用は野放しとなり、本来優先されるべき緊急車両や物資輸送車両、公共車両(路線バスなど)の運行を妨げる事態が各地で発生。さらにガソリン等の買い溜めが起こり燃油不足が深刻化し、路線バスや宅配事業者などが減便・運休・配達困難に陥った。

緊急時とはいえ、交通への配慮を欠くことが結果として緊急時に必要な全ての対応を失敗させること、交通無策が文字通り命取りになることを身をもって学ぶ事態になってしまった。ところが、この事態を目前にしてもなおマスメディアを含め反省の弁は聞かれない。このまま交通無策でいいのだろうか?

今後の当会の対応について

上記の通り、緊急対応を行ってきたが、その過程で多くの課題が見えてきた。 今後は、これまでに企画していた事業の展開と並行して、新たに震災やエネルギー政策への対応も考えてゆく必要がありそうだ。

こうした事態に対応するため、担当者の役割を再検討したい。下記は

自転車タクシー、コミュニティバス】副代表 【資料制作、展示】広報 【震災・省エネ、MR川崎】代表 【ホームページ、ブログ、twitter、事務局】代表が仮に担当しつつ、協力者を募る。

節電チラシ(2011年4月暫定版)イメージ (22KB)
節電チラシ (PDF 1.52MB)
自転車の安全な乗り方チラシ(2011年4月暫定版)イメージ (17KB)
自転車チラシ (PDF 2.07MB)
(配布中のチラシは A4判両面モノクロ印刷です)

今年度事業

事業高齢者移動支援と地域活性化に役立つ「自転車タクシー」提案

かわさき市民公益活動助成金を申請中。公開プレゼンテーション審査が5月21・22日に開催され、6月中旬までに採否が判明する。 4月・5月は主に実施計画の検討やプレゼン審査の準備を行い、6月の採否判明以降に本格展開を始める予定。

省エネ・自転車安全利用チラシの改稿

電力不足や、震災後に自転車利用を始めた人の危険な走行が目立ってきたことなどを受け、効果的な節電方法や、自転車の安全な走り方に関するチラシを制作・配布している。現在配布中のもの(別紙、右図)は3月中に企画し、4月6日より配布開始したものだが、これから夏に向けて改稿を検討したい。 その内容を含め今日検討したい。下記は案。

(参考)

交通の温暖化対策チラシ制作

地上交通の温暖化対策を啓発するリーフレット作成の依頼をいただいている。クルマ使用と温暖化の関係、おすすめの温暖化対策などの内容で、イラストを多用した一般向けのもの。当会でデザインを用意し、先方で印刷していただき、共同で配布する事業としての展開を検討したい。

今日時点では、実施の可否と担当者、今年度中に出来るかどうかを検討したい。

書評冊子の増補版制作

2009年度、2010年度と書評冊子を制作・発行しており、2009年度版は既に配布完了、2010年度版も在庫が残り100部程度となっている。

本会独自の情報発信の一環として行っている本事業だが、継続する場合は、夏秋頃を目安に、新刊の追加と、既存記事の整理を行いたい。

コミュニティバス調査支援(継続)

川崎の交通とまちづくりを考える会(K-cube)さんと共同実施している「まちづくり・地域交通調査支援事業」の一環で、市内のコミュニティバス要望地域の取り組みを伝える報告書『川崎市のコミュニティバス実現に向けてを制作し、3月27日より配布開始した(本日配付)

本事業は助成金事業としては昨年度で終了し、今月17日() に終了報告を行うが、コミュニティバス導入に向けた支援の必要は変わっておらず、特に昨年度事業で地域からの具体的な動きが確認された所を中心に、地域間の連携づくりや市の交通政策への提言等に引き続き取り組んでゆきたい。

川崎市地球温暖化防止活動推進センター」関連

1月に高津市民館11階に開設された「CC川崎交流コーナー」で、月毎にテーマを決めた展示が行われている。その企画として交通に関する温暖化対策の相談をいただいている。提案できる事があるか検討したい。

また、引き続き「川崎市地球温暖化防止活動推進員」が募集 (PDF 358KB) されているとのこと。(別紙参照)

昨年度事業総括・総会準備

5月15日の総会での議案・決議事項について、その1ヶ月前までに用意する必要がある。今日は、 ●2010年度事業報告書 ●2010年度収支報告書 ●2011年度事業計画書 ●2011年度予算書 の案(別紙)を検討したい。 この他、総会に議案等の提案がある会員は 4月15日までにご提案いただきたい。

【新規】

【継続】

■定例会 <会員向け> ■メーリングリスト(ML) ■電子メールアドレス、名刺の発行 <一般向け> ■イベント出展、交通アンケート・交通相談 ■ホームページ、twitterでの情報発信 ■会員、協力会員、賛助会員の募集、寄付の募集 <キャンペーン> ■世界道路交通犠牲者の日 ■MAKE the RULE、MAKE the RULE 川崎 <提言> ■パブリックコメント対応

2011年度の事業計画としては、これまでの検討を踏まえ、前述の自転車タクシー事業が柱になると思われるが、それ以外にも計画しておきたい事業案があれば提案してほしい。 なお、予算措置が必要となる事業提案については前回定例会までに締め切っているので、予算措置を必要としない事業提案を行ってほしい。次回定例会で確定としたい。

イベント出展準備

「省エネアンケート」実施について

これまで当会では、イベント来場者を対象に、シールを貼ってもらう形での独自のアンケートを実施してきた(右写真)。この恒例のアンケート調査自体は継続したいが、先月の大震災、およびその後の原発・エネルギー問題の顕在化を受け、省エネへの関心が高まっている中で、内容を一時的に変更し、当面は省エネアンケートを実施したい。その具体案を含め本日検討したい。

今回の原発停止を受け、自然エネルギーの導入拡大が求められている半面、エネルギー(電力)使用量を2〜3割削減する要請が出されている。つまり地球温暖化対策で言われていた25%削減が突然突きつけられた格好となった。そこで、日本人の年間一人あたりCO2排出量を参考に示しながら、あなたなら どこで25%削減しますか? 25%削減に必要な取り組みは? という2項目で、下の円グラフの項目から選んでもらうアンケートを実施してはどうか。

5/15 「公害・環境、健康、まちづくりフェスタ」

今年は 5月15日() 11:00〜15:00 に、溝口駅前デッキ上(武蔵溝ノ口駅 北口、溝の口駅 東口)で開催予定になっており、当会は昨年に引き続き出展予定。 当会はパネル1枚(90×180cm)と机1台を借り、K-cubeさんと協力して出展したいと考えている。検討中の展示内容は下記の通り。

配布物】コミバス報告書、おすすめ図書などの冊子類、リーフレット類、省エネ・自転車活用チラシ、自転車タクシー関連など

掲示物】省エネアンケートと関連グラフ類、自転車タクシーとコミバスの写真

大まかな内容を今日中に確定させたい。 また、当日は本イベント出展後に総会も開催するので、皆さんにはぜひイベントに足を運んでいただく(担当者は朝8時半、展示をお手伝いいただける方は10時頃に現地集合)とともに、その足で総会にも出席していただきたい。

6/26 「高津区市民活動見本市」

6月26日() 11:00〜15:00 に、高津市民館11・12階(武蔵溝ノ口駅 北口、溝の口駅 東口)で開催予定。当会は昨年に引き続き出展予定。次回実行委員会が 5月18日(月)に予定されている。展示内容は検討中だが、上記に準じて考えている。

パブリックコメント対応

〜4/23 バリアフリー推進構想について(平間・向河原・武蔵小杉新駅)(川崎市まちづくり局総務部企画課)

各駅周辺のバリアフリー対応状況(歩道の構造や状況、障害物など)を調査し、その課題を評価している。 全体に対して意見を出すよりも、個別地域の結果に対する意見を出す形になると思われるので、土地勘のある地域を中心に各自ご確認いただき、意見を出してほしい。


南武線で快速運転が始まった。快速運転は川崎〜登戸
間のみで、同区間では各駅停車が増発されている。

二ヶ領用水宿河原堀沿いの桜並木には、今年も多くの人が
訪れたが、残念ながら最寄りの宿河原駅は快速電車は通過。
(写真はいずれも道路上より撮影。)

各種報告・意見交換

4/09〜 南武線での快速運転開始(復活)について

4月 9日()より、南武線(川崎〜登戸間)での快速運転が開始(復活)された。 前回案内の通り、3月12日()から予定されていたが、東日本大震災やその後の「計画停電」の影響で延期されていた。

平日・土休日とも、10〜16時の間のみ、毎時2往復の運転。下り立川方面は登戸の手前で方向幕を転換している様子(宿河原駅を過ぎると方向幕を回していた)

上記のような運行なので、日中の比較的長距離の利用者向けの設定になっているが、南武線はこれまで比較的短距離の利用が多いと言われており、これまでの聞き取りでは賛否が分かれているようだ。どれほどの需要があるかは不明だが、今回は実質増便になっているので、住民増加による増便対応や、新たな需要喚起を狙っているのかもしれない。

(再掲)課題としては、下り方向は登戸駅での乗り換えが跨線橋経由になる(たとえば宿河原→稲田堤など、階段の上り降りでの乗り換えになる)こと、快速運転は登戸までなので時間短縮効果が限られること、快速運転は日中のみ30分間隔なので利用機会が限られること、などを指摘する声が聞かれる。

なお、二ヶ領用水・宿河原堀に沿っての桜並木では今年も花見に訪れた人で賑わった。今年は神奈川新聞tvkでも紹介されていた。

交通基本法案について(国土交通省)

2009年末より検討が本格化した交通基本法案が、3月 8日に政府閣議決定され、法案が発表された。その内容は前回案内の通り。

本案の検討過程で「交通権」などの重要な部分が削ぎ落とされた面もあるが、そうした経緯について本会代表が概略をまとめ『クルマ社会を問い直す』63号(2011年3月号)へ寄稿している(今回定例会参加者へは本誌提供)のでご参照いただきたい。

なお、3月12日、16日には横浜、東京で他会主催のシンポジウムが予定されていたが、震災影響で延期・中止になっている。人と環境にやさしい交通をめざす協議会さんが主催する「第15回交通基本法案研究討論会」が 4月20日に開催予定

5月総会、6月定例会について

5月は定例会はお休みし、5月15日()開催予定の「公害・環境、健康、まちづくりフェスタ」(溝口駅前デッキ上、11〜15時)に出展の後、16時頃から高津区役所 4階「市民活動支援ルーム」(今回と同じ場所)総会のみ開催予定です。出展イベントとともにご参加ください。

次回定例会は 6月 9日(木) 18:30〜 高津区役所 4階「市民活動支援ルーム」(今回と同じ場所)で開催します。2011年度事業の進め方などの検討と、イベント出展準備を行う予定です。次回もご参加ください。


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