2008年 4月から2009年 3月にかけて本会ホームページの「今月の写真」欄に掲載していた写真をご紹介します。
● 2010年度 □ 4月 □ 5月 ■ 6月 □ 7月 □ 8月 ■ 9月 ■10月 □11月 □12月 2011年 □ 1月 □ 2月 ■ 3月
● 2009年度 □ 4月 □ 5月 □ 6月 □ 7月 □ 8月 ■ 9月 ■10月 ■11月 □12月 2010年 □ 1月 □ 2月 ■ 3月
● 2008年度 ■ 4月 ■ 5月 ■ 6月 ■ 7月 ■ 8月 ■ 9月 □10月 ■11月 ■12月 2009年 ■ 1月 □ 2月 ■ 3月
■ 3月 「公共交通でエコライフ!バスをご利用ください。」
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□ 2月
休 載
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■ 1月 「早すぎる春の訪れ」
等々力緑地で元日に撮影。今季は早くも12月から、梅の花が咲き始めています。
先月は遅れる紅葉の写真をご紹介しましたが、冬の訪れが遅れるのと同様に、春の訪れはどんどん早まっています。これだけ多くの開花が見られるのは、筆者が知る限り初めてです。先月もご紹介したように、ヒートアイランドや化石燃料の大量使用による地球温暖化が、様々なところに影響を与えています。 もっとも、暦の上では 5日が寒の入り。寒さはこれから本格化するでしょう。一旦花を咲かせてしまった梅の木にとっては大きな負担になってしまいそうです。 歩く人、自転車・公共交通を使う人が優先されるまちづくりをすすめることで、人と環境にやさしい生活へと変えてゆくことの必要さを改めて実感させられます。 /撮影・文:井坂
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■ 12月 「遅れる紅葉」
高津図書館の前にある公園で、12月 2日に撮影。12月になってようやく黄葉・紅葉が見られます。
川崎市内で紅葉が本格化する時期は、比較的標高の高い場所(麻生区内や生田緑地など)でも11月下旬、低地(等々力緑地など)では12月に入ってからです。この葉が落ちきる頃には年明けで、するともうすぐ老梅の花が咲き始めます。すっかり冬が短くなり、私たちの生活ばかりでなく、季節もずいぶん忙しなくなったものです。 こうした変化に地域交通は無関係ではありません。宅地化が進んだ市域はヒートアイランド現象により気温が高めになっており、その一因道路や駐車場などの舗装です。緑地が失われ、アスファルトが増えたことにより、季節を狂わせるようになっています。さらに今後は地球温暖化の影響も懸念されていますが、その主因のひとつが自動車です。 紅葉の遅れや昆虫が現れる時期の変化など、彼らは気候の変化を私たちに教えてくれているのですが、日々忙しない生活を送っていると、そんな変化にも気づけないのかもしれません。しかも、道路が舗装されたり、庭が駐車場にされたり、といった影響により、こうした季節感を感じられる場所そのものが減っています。民家の庭先になる柿の実や、畑で育つ露地栽培の野菜など、街に彩りを添え、私たちに季節感を与えてくれる植物は、今ではなかなか見られなくなってしまいました。 今ある前庭や公園などは小さくても貴重な緑地空間。庭などの大切な緑を潰して駐車場などにしてしまう人が後を絶たない状況ですが、そんなもったいないことはもうやめて、まちに彩りと潤いを添える緑をまもってゆきたいところです。 /撮影・文:井坂
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本作品は Creative Commons Attribution-Noncommercial-Share Alike 2.1 Japan の下で二次利用が可能です。
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■ 11月 「身近なところで感じられる秋」
一見、なんてことない住農近接の風景に見えると思いますが、こうした風景が見られる場所がどんどん減っていることは、意外と知られていないのかもしれません。
川崎市内はもとより、多くの住宅地には、かつては田畑や梅、桃、柿、栗などの林がすぐ近くに混在していて、当たり前の風景でした。足元には土があり、動植物が四季折々に変化し、ふと足元を見ればそこに季節が感じられました。 ところが、ここ数十年の変化は急激でした。「開発」の名の下に農地は潰され、土の上にはアスファルトが敷かれて道路ができ、クルマが騒音と汚染物質と脅威をバラ撒きながら我がもの顔に走り回っている。結果、昔は当たり前に感じられた季節感はすっかり感じられなくなってしまった半面、激増した交通犯罪や大気汚染、ヒートアイランド、地球温暖化などの苦しみが増加しています。 食と交通に関して、日本は恵まれていると言われます。地域差はありますが、大半の地域で穫れたての新鮮な野菜を食べることができ、農産物の安全性も概ね確保されています。交通でも、かつてはほとんどの地域で廉価な公共交通サービスが提供されていました。 しかし、このような恵まれた環境がある地域は意外と少ないのです。国によっては農作物の国内自給を諦め(または地理的に不可能で)、ほとんどを輸入に頼っているところもありますが、そうした地域では新鮮な生野菜を食べることはできず、新鮮味や農薬などに不安を抱えながらも高い輸入食材を食べざるを得ません。しかも昨今の金融不安の煽りを受け、輸入食材の高騰に悩む国も少なくありません。交通でも、公共交通などの社会資本が未整備で、「マイカー」を持たない人・運転できない人が生活に困窮する事態が、米国をはじめとする世界各地で起きています。しかし、これらは私たちも「対岸の火事」ではなくなってきました。 私たちの毎日の生活に欠かすことのできない食と地域交通。今まではあまり真剣に考えずに済んだのは、かつての私たちの生活環境が「豊か」だったからでしょう。そうした豊かさを失いかけている今、このふたつを見直すときに来ているのではないでしょうか。 なお、11月29日には「かわさきボランティア・市民活動フェア」に出店し、かわさきそだちの新鮮野菜や卵、有機野菜や米の販売を行います(栗の販売予定はありません)。当日はぜひ足をお運びください。 /撮影・文:井坂
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□ 10月
休 載
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■ 9月 「思いよとどけ」
横浜カーフリーデー2008で行われた、「世界道路交通犠牲者の日」にちなむキャンドルナイトの点火の様子。廃食油を集めて手作りしたキャンドルに火が灯され、クリスタルボウルによる演奏も行われ、会場となった横浜公園は幻想的な雰囲気に包まれるとともに、その雰囲気を切り裂くように轟くクルマ・オートバイの騒音が一層痛烈に感じられました。
このキャンドルナイトは、現在のクルマ依存社会を問い直し都市交通問題の改善のきっかけをつくるイベントの一環として行われたものです。 国連が定める「世界道路交通犠牲者の日」(国連文書、邦訳版)は、毎年11月の第3日曜日に定められ、世界各地で交通犯罪を問い直し安全な交通を確保するための啓発・取り組みが行われています。 日本では、政府は残念ながらその取り組みをほとんど行っていない状況ですが、被害者遺族の皆さんをはじめとする市民団体が中心となって取り組まれており、今年は関連セミナーが行われる予定です。 /撮影・文:井坂
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■ 8月 「夏の風物詩」@多摩川花火大会
例年8月第三土曜日に高津区二子橋周辺で同時開催される川崎市政記念多摩川花火大会・世田谷区たまがわ花火大会の様子。交通至便かつ河川敷が比較的広いことから尺玉を含めて計6千発の花火が打ち上げられ、この日は川崎市内・世田谷区内をはじめ近隣各地からも多くの人が集まり賑わい、地域の夏の風物詩になっています。
最寄り駅は東急田園都市線・二子新地駅。南武線武蔵溝ノ口駅から歩いても約20分で、この日は大山街道(二子橋〜高津十字路)が車両通行止めになり安心して歩けます。また大会終了後は東急バス向02系統(新二子橋〜久地駅前〜向ヶ丘遊園駅東口)も増発されます。当日の交通についてはWikipediaに詳しい記載あり。来年の開催時は徒歩または公共交通でお出かけください。/撮影・文:井坂、写真は2008年開催のもの。
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■ 7月 「子育て難」
夏になると遠く太平洋諸島やオーストラリアから渡ってきて子育てをするコアジサシ。海に近く魚が多く棲む水辺の砂利場で子育てをするのですが、子育て適地が失われたことにより絶滅危惧種に指定されています。
1960年頃までは多摩川にも繁殖地があったのですが、その後の水質汚濁などに伴い、しばらく姿が見られない時期が続きました。その後の水質回復により、再び多摩川にも渡ってくるようになり、川崎市内では調布堰(中原区)や二子橋(高津区)付近などでアユなどの魚を捕っている姿が、2003年頃より観察されるようになりました。 近年、その調布堰から近い等々力緑地にも訪れるようになりました。今年も通称「東横池」に 10羽ほどが訪れ、池の上を飛び回って魚を捕っています。 多摩川では、去年は多摩川河口付近(いすゞ自動車工場跡)の砂利場が大きな繁殖地になっていましたが、今年はトヨタ自動車の製品置場として使われており、さらに今年は羽田空港拡張工事の影響でアユ遡上数が減っているようで、彼等の子育て難は続いているようです。 等々力緑地へは、武蔵小杉、溝口、川崎の各駅から東急バス川31・33・溝02・03各系統、市バス溝05・杉40各系統に乗車し「市営等々力グランド入口」下車、または武蔵小杉駅から徒歩約20分。 自転車では、多摩川サイクリングコースから「等々力」交差点で降りてすぐ、または二ヶ領用水沿いを走ってゆくと便利です。 コアジサシの姿は夏頃にかけて見られます。静かに見守ってあげましょう。/撮影・文:井坂
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■ 6月 「あじさい寺」
梅雨になると境内が紫陽花で彩られる妙楽寺にて。
雨上がりを狙って、または雨の中でも、運動をかねて出かけてみてはいかがでしょうか。最寄りは市バス溝06系統(溝口駅〜向丘遊園駅東口)・東急バス向02系統(二子玉川駅〜向ヶ丘遊園駅東口)で「長尾(ながお)」下車、「あじさい寺」の立て看板に沿って登り坂を歩くこと約10分。バスは本数が少なめなので予め時刻を確認しておきましょう。
または、宿河原駅から「長尾の里めぐり」に沿って歩いてみるのもお勧めです。この辺りは多摩丘陵の入口にあたり、かつては豊かな森だったところ。今でもここ妙楽寺、長尾神社、等覚院、東高根森林公園……と断続的ながらも森が残っており、尾根づたいはクルマも少なく、意外と陽射しの強い梅雨に歩くと心地よい散歩道になります。東高根森林公園まで歩くと(約30分)溝口駅方面バスが数分間隔で頻発しています。
自転車でおいでの際は緑ヶ丘霊園経由だと登り傾斜が緩くなります。もちろん帰りは楽ですよ(^_^)。/撮影・文:井坂
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■ 5月 生田緑地ばら苑
生田緑地ばら苑にて。今春も 5月15日より一般公開が予定されています。都市部の喧騒から離れた森の中にある庭園でのバラ鑑賞はいかがでしょうか。ご来場は公共交通で:南武線宿河原駅・小田急線向ヶ丘遊園駅より徒歩約12分(案内表示あり)、または溝口・梶が谷の各駅から向ヶ丘遊園駅東口行きバスで「向ヶ丘遊園」下車。正面玄関より苑内まで10分ほど歩きますが、ご高齢・お身体の不自由な方は正面玄関より無料送迎をご利用いただけます。自転車は正面入口の駐輪場を利用できます。/撮影・文:井坂、写真は昨年公開時。
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■ 4月 「桜のトンネル」
二ヶ領用水・宿河原にて。沿川の約 2km にわたって桜並木になっており、歩いて、または自転車で、クルマに脅かされることなくゆったりお花見ができます。南武線宿河原駅下車徒歩数分。写真は桜のトンネルと南武線が交差するところ。/撮影・文:井坂
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バスや電車などの公共交通を使うと、「マイカー」に比べエネルギー消費量を 1/3 かそれ以下に抑えられます。もっとも、これは多くの人が乗り換えた場合の平均値。あなた一人が乗り換えれるなら、短期的にはあなたがクルマで出していた CO2 排出量がほぼゼロになると考えても差し支えありません。
環境問題が叫ばれ、皆さんこまめに灯りを消したり、マイバッグを持参するなど、工夫されている方も少なくないと思います。そうしたこまめな取り組みが重要なのですが、中でも「マイカー」を使わないことは効果てきめん。逆に言えば、どんなに努力を積み重ねても、「マイカー」を使ってしまうと、他の努力をすべて潰してしまうくらい影響が大きいのです。
このように交通事業者や地方自治体が頑張っていても、その努力を蹂るような事を今の政府は平然と行ってしまいます。「高速値下げ」だなどという環境悪化を助長しながら一部の者だけに利益を与える政策を平然と行い、マスコミもその問題を指摘せず、やもすれば皆さんの中にも目先の利益に喜んでいる人がいるのかもしれません。
しかし、よくよく考えてみれば、「マイカー」を増やしても百害あって一利なし。鉄道・バスやフェリーなどから「マイカー」への乗り換えを進め、税金とエネルギーを浪費した上に、今後の私たちの生活に影を落とすことになるのです。 しかも、今の政府も与野党も、私たちの訴えに一切耳を貸さず黙殺しています。(『高速道路料金の大幅引き下げの差し止めを求める緊急共同声明』を参照)
このように国政は問題だらけのようですが、クルマに頼らない生活に慣れておくことは、石油を使い続けることができない将来の私たち自身のためにも有意義なことです。成人病予防やお金の節約にもなります。
「クルマは不可欠」と思っている人も、思いきって手放してみると意外とあまり不自由しないものですよ。政府や業界の誘惑に負けず、ぜひいちど思いきってクルマを手放してみてください。健康で環境とおサイフに優しい生活が待っています! /撮影・文:井坂