川崎市バス事業 経営計画(案)」に関する意見

2026年01月15日提出
持続可能な地域交通を考える会 (SLTc)
代表 井坂 洋士
 
〒211-0004 川崎市中原区新丸子東3-1100-12
かわさき市民活動センター レターケース5
 

市バスには日頃より市民の足をつないでいただきありがとうございます。私たちの毎日の生活に欠かせない足であり、また地域経済を支えるインフラを継続的に維持発展させるために、下記の通りご意見を申し上げます。

輸送力維持のために連節バスの導入を

市バスでは川崎区や高津区・宮前区などに非常に利用の多い幹線路線を運行されており、とりわけラッシュ時間帯には満員で乗車できない便が続出しているような路線もあります。

ところがそうした利用の多い幹線バス路線であっても、2024年頃より乗務員不足を理由として減便されており、便数削減と混雑による不便が生じています。

路線バスは乗務員1人あたりの輸送力が限定的ですが、例えば京成バスでは1998年から、神奈川中央交通では2005年から、幹線系統に連節バスを導入することで乗務員1人あたりの輸送力を改善し、今では比較的狭い道路でも運行している実績があります。市バスでも幹線系統に連節バスを導入し、輸送力の確保と混雑緩和を図るべきと考えます。

運賃負担が過大にならないよう乗継割引や上限制の導入を

本案では運賃改定(値上げ)が示唆されていますが、市バスの運賃は2022年に10%値上げされており、また川崎市内は均一運賃制ですが短距離の利用も多く、乗車距離によっては対距離区間制を採用する近隣他社よりも割高になっている区間もありそうです。

川崎市内では多くの事業者が存在しており、また路線バスは電車や他のバス路線と乗り継ぐことで目的地にたどり着ける場合が多いことから、乗り換えの度に運賃がかかって結果的に高額な運賃負担になってしまうこともあります。

例えば【溝口駅南口〜柿生駅】の系統は分断されて乗り換えが必要になっていますが、乗り換えの手間に加えて運賃も二重にかかるようになってしまいました。またはバスで柿生駅に出て小田急と南武線に乗り継ぐと3社局の運賃がかかることになります。

路線の再編により運行が効率化されるのは良いことですが、一部の乗客に高額な運賃負担が生じる事態は緩和すべきと考えます。

市バスではPASMO・Suicaの1日乗車券(550円)を提供していますが、複数の事業者では使えない(複数の企画乗車券類を登載することができない)課題もあります。他の事業者でも運賃が値上げされている中、一部の乗客に過度な負担を生じさせないよう、また公共交通による市内の移動を円滑化し、地域経済の活性化、および自家用車利用を削減するためにも、市役所や他の事業者と協力して市内共通の1日乗車券を用意するなど、乗り継ぎに伴う運賃の高騰を改善すべきと考えます。

また、一部(井田病院方面、聖マリアンナ医大方面)で乗継乗車できる措置が取られていますが、路線の短縮と運賃値上げで一部の乗客への負担が過大になっていることに鑑み、乗継割引や上限運賃の導入などで、市バスを多く利用する人に過度な負担とならないようにするとともに、バスでの市内の移動を不便にするのではなく、便利にするための対策を実施すべきと考えます。

【参考】「川崎市地域公共交通計画」の改定素案に関する意見(2026年01月07日提出)

自転車・シェアサイクルとの乗り継ぎ改善

川崎市には丘陵地も多く、バス停まで行くのに坂道の登り降りが大変…という場所も多くあります。また、最寄りのバス停は運行本数が少なくて不便だが、少し離れた場所まで自転車で行ければ運行本数が多いのに…という場面もあります。

しかし、バス停には駐輪場が確保されていないことから、自転車でバス停まで行くことができません。近頃は電動アシスト付き自転車が普及したことから、丘陵地での自転車利用が増えていますが、自転車とバスの乗り継ぎが現実的でないことから、駐輪場が整備されている鉄道駅まで自転車で行く必要がある人が多くいます。

市内ではコミュニティバスを求める声が少なくありませんが、高齢などで移動が困難という人ばかりでなく、子育て世代などで電動アシスト自転車を使っているが駐輪場がなくて既存路線バスの利用が難しいという人も少なくありません。

市バスでは駅から離れた場所に営業所や車庫がありますがそこに駐輪場を用意して、自転車とバスの乗り継ぎを良くすることで、バスの利便性向上が期待されます。

営業所や車庫以外でも、バス停付近の市が管理する土地や商店などと協力して駐輪場を確保することができれば大変有意義です。

また、市内では「HELLO CYCLING」や「ドコモ・バイクシェア」(臨海部限定)も利用できることから、これらを設置することで来街者のバスを使った移動を支援することにもつながると考えられます。近隣では江ノ電や東急バスなどが「HELLO CYCLING」を設置しており、市役所もシェアサイクルの普及に取り組んでいるところです。市バスでも営業所や車庫などに「HELLO CYCLING」を設置することで路線バスの利便向上に取り組むよう求めます。

【参考】「第3期川崎市自転車活用推進計画(案)」に関する意見(2026年01月05日提出)

以上

ご案内

本意見書は、本会Webサイトにも掲載しています。
http://sltc.jp/file/2026/01/20260115kawasaki_bus.html


持続可能な地域交通を考える会 > 意見・提案 > 「川崎市バス事業 経営計画(案)」に関する意見

© 2026 Sustainable Local Transit committee, Kawasaki Japan. Some rights reserved.